すべての子どもに「生命(いのち)の安全教育」を ―国会議員と制度化に向けて意見交換

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(Release)2026年10月28日

2026年10月20日、SRHR for JAPANは、平山佐知子参議院議員、伊藤聡衆議院議員を訪問し、すべての子どもたちが、自分と相手の身体や尊厳を大切にし、自分を守るための知識を学ぶことができるよう、「生命(いのち)の安全教育」のさらなる充実と制度化に向けた意見交換を行いました。 

今回の訪問では、学校や地域によって教育の実施状況に差があること、学校現場だけでは専門的な内容を十分に扱うことが難しいこと、外部専門家を活用するための予算や仕組みが十分に整っていないことなど、現在の課題を共有しました。 

左から前内閣総理大臣補佐官の矢田わかこ氏、伊藤聡衆議院議員、アドボカシーグループリーダー長島

地域や学校によらず、すべての子どもに学ぶ機会を 

文部科学省は、性犯罪・性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないための教育として、「生命(いのち)の安全教育」を推進しています。 

しかし、実際の教育現場では、その実施状況や内容に地域や学校による差があります。 

一方で、子どもたちを取り巻く環境は急速に変化しています。SNSやオンラインゲームなどを通じて、子どもたちは学校で学ぶ前から、性や身体、人間関係に関するさまざまな情報に触れています。 

画像や動画が本人の意図しない形で共有・拡散されたり、ディープフェイクなど新たな技術によって、知らないうちに被害者にも加害者にもなり得たりするリスクもあります。 

平山参議院議員との意見交換では、こうした問題が起きてから対応するのではなく、起きる前に「何が問題なのか」「自分や相手をどう守るのか」を学ぶことの重要性について議論しました。身体の境界線やプライベートゾーン、同意、相手との距離、自分が嫌だと感じたときの断り方などを、発達段階に応じて繰り返し学ぶことの必要性も共有されました。 

平山議員(中央)とも意見交換

学校の先生と外部専門家が、ともに支える仕組みを 

意見交換の大きなテーマの一つとなったのが、外部専門家の活用です。 

日常的に子どもたちと接する学校の先生が、子どもの発達段階に応じて継続的に学びを支えることは欠かせません。 

一方、性や身体、性暴力など専門性の高いテーマについては、産婦人科医、助産師、小児科医、専門団体などの外部専門家が学校教育を補完することも有効です。 

しかし現在は、 

  • 学校や教育委員会が「どこに専門家がいるのか分からない」 
  • 専門家側も学校や教育委員会につながる手段がない 
  • 外部講師を依頼したくても十分な予算がない 

といった課題があります。 

伊藤衆議院議員との意見交換では、外部講師による授業を一部の意欲ある学校だけの取り組みにせず、全国で継続的に実施できる仕組みとするために、必要な予算措置や制度化についても議論しました。 

SRHR for JAPANでは、学校の先生による継続的な学びと、外部専門家による専門的な授業を組み合わせることが、教育の質と継続性を確保するうえで重要だと考えています。 

自治体での実践を、全国の仕組みへ 

SRHR for JAPANでは現在、複数の自治体や学校と連携し、「生命(いのち)の安全教育」の実践と検証を進めています。 

今回の意見交換でも、まず自治体や学校でモデルとなる取り組みを実践し、子どもや教員の声、アンケートなどを通じて成果や課題を検証したうえで、他の自治体へ広げていくことの重要性を共有しました。 

伊藤衆議院議員との面談では、世田谷区などでの実践についても紹介し、現場での取り組みを評価・発信しながら、横展開や制度化につなげていく方向性について意見を交わしました。 

そして、こうした取り組みを個々の自治体や学校の努力だけに委ねないことも重要です。 

今後の学習指導要領の改訂などを通じて、住んでいる地域にかかわらず、すべての子どもたちが必要な教育を受けられるようにしていく必要があります。 

今回の面談でも、学習指導要領における位置づけをより明確にできないかという点について意見交換を行いました。 

学校教育だけでなく、子どもを取り巻く環境全体から 

子どもたちを性被害・性暴力から守るためには、学校での教育だけですべてを解決することはできません。 

今回の意見交換では、インターネット上の有害な情報や画像への対応、サービスを提供する事業者側の対策や制度整備についても話題となりました。 

文部科学省だけでなく、こども家庭庁、総務省、警察庁など、関係する省庁や機関が連携しながら取り組んでいく必要があります。 

教育と、子どもたちが日常的に利用するデジタル環境。その双方から、被害も加害も生まない環境をつくっていくことが求められています。 

「どこに住んでいても学べる」を当たり前に 

自分の身体は自分のものだと知ること。 

相手の身体と意思を尊重すること。 

嫌なことには「嫌だ」と言っていいと知ること。 

困ったときに、誰かに相談していいと知ること。 

 

こうした学びは、特定の地域や学校だけで得られるものであってはなりません。 

SRHR for JAPANは、自治体・学校での実践と調査を積み重ね、その知見を政策につなげることで、「生命(いのち)の安全教育」が全国の学校で継続的に実施される仕組みづくりを目指しています。 

今後も、国会議員、関係省庁、自治体、学校、医療・教育の専門家、そして若者自身との対話を重ねながら、すべての子ども・若者が、自分と相手の身体と尊厳を大切にするための知識を学ぶことのできる社会の実現に向けて取り組んでいきます。 

関連イベント 

SRHR for JAPANでは、2026年11月15日、静岡で「生命(いのち)の安全教育」をテーマとしたシンポジウムを開催します。 

学校での教育だけでなく、SNSやインターネットを通じて子どもや若者が直面している課題についても、若者自身の声を交えながら考えます。 

イベントの詳細・参加申し込みはこちら 

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性的同意についてチェックするための問いを集めました。

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