【開催報告】公開シンポジウム「SNSは禁止で解決するのか?〜当事者である子ども・若者と考えるデジタル時代の安全〜」
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(Release)2026年6月18日
プラン・インターナショナルは2026年6月16日、国際人口問題議員懇談会(JPFP)生命の安全教育を考えるプロジェクトチーム(PT)、アジア人口・開発協会(APDA)との共催により、公開シンポジウム「SNSは禁止で解決するのか?〜当事者である子ども・若者と考えるデジタル時代の安全〜」を参議院議員会館およびオンラインで開催しました。
本シンポジウムには、教育関係者、行政関係者、企業関係者、保護者などが参加し、高校生・大学生、国会議員、文部科学省、こども家庭庁、Meta日本法人、専門家がともに、デジタル時代における子ども・若者の安全について議論しました。

SNS禁止をめぐる議論と、子ども・若者のリアル
問題提起では、兵庫県立大学の竹内和雄教授が「子ども・若者とSNSのリアル―データと当事者の声から考える」と題して講演を行いました。竹内氏は、SNS利用をめぐる国内外の規制議論を紹介するとともに、子ども・若者にとってSNSやインターネット利用がすでに生活の一部となっている現状を共有しました。その上で、デジタル社会の中で子ども・若者の安全をどのように守っていくべきかについて問題提起を行いました。

続く討論セッションでは、「禁止だけで解決するのか?」という問いを起点に、情報アクセスと安全の両立、プラットフォーム事業者の責任、メディアリテラシー教育、『生命(いのち)の安全教育』の役割などについて意見交換が行われました。
「知らないまま議論しないでほしい」若者からの声
討論では、高校生・大学生から率直な意見が示されました。
参加した若者からは、
- SNSを知らないまま指導しないでほしい
- 子どもの声をもっとルールに反映してほしい
- 一方的な禁止ではなく、一緒に考えてほしい
- SNSは危険だけでなく、学びや情報収集の場でもある
といった意見が出されました。また、「ルールの対象となる子どもや若者自身が議論に参加できていない」という課題も指摘され、当事者参画の重要性について議論が行われました。

デジタル時代の新たな安全対策
討論では、Meta日本法人公共政策本部長の堀内 千保氏より、18歳未満で撮影された性的に露骨な画像や動画のシェア・拡散防止を支援する無料のサービス「Take-It-Down」が紹介されました。これは、使用しているデバイスで心配している画像や動画を選択するだけで、固有のデジタル指紋(ハッシュ値)を用いて対象コンテンツの拡散防止や削除を支援する仕組みです。
この仕組みについて、参加した若者からは「初めて知った」という声が聞かれました。ただ、オンライン上の被害を防ぐためのこういった仕組みが存在していても、その情報が当事者である子ども・若者に十分届いていない現状が浮き彫りとなり、安全対策の周知や教育の重要性が改めて確認されました。

若者がまとめた「ネット提言」
シンポジウム後半では、高校生・大学生がグループごとに議論し、先生、保護者、企業、国・自治体、そして自分たち自身に向けた提言を取りまとめました。
先生に対しては、「SNSを知らないまま指導しないでほしい」「相談しやすい環境を作ってほしい」。保護者に対しては、「一方的に制限するのではなく、なぜそのルールが必要なのかを一緒に考えてほしい」「SNSについて本音で話し合える関係を作ってほしい」。企業に対しては、「依存性の高い仕組みを見直してほしい」「危険な広告やサイトを表示しないでほしい」。国・自治体に対しては、「子どもの声を聞いてほしい」「年齢だけで判断しないでほしい」。そして自分たち自身に対しては、「投稿前に一度立ち止まって考える」「SNSを知識や情報を得るためのツールとして活用する」といった提言がまとめられました。

当事者の声を政策と教育へ
今回のシンポジウムを通じて見えてきたのは、「SNSは禁止すれば解決する」という単純な問題ではないということです。デジタル社会の中で子ども・若者が安全に成長していくためには、規制やルールだけでなく、正しい情報へのアクセス、自分と相手を守る判断力、相談できる環境、そして当事者の声を反映した政策形成が不可欠です。
プラン・インターナショナル・ジャパンは今後も、子ども・若者の声を起点としながら、『生命(いのち)の安全教育』の推進と、誰もが安心してデジタル社会に参加できる環境づくりに取り組んでいきます。


